ヨゼフ・ロイブルのバス・アリア集早くも梅雨が明け、酷暑の日々が続いていましたが、今日この辺りは小休止。意外に涼しい連休最後です。亭主、引越の準備に追われておりますが、これを機に宿年の“紙類”の大量廃棄に踏み切っています。
音楽関係の旧稿なぞは、しかし、読み返したり、文中の音盤を聴き返したりで作業停滞……まったくもってはかどりませぬ。
今もこんな昔の短文を見つけ、さっそく当該音盤を引っ張り出して流しはじめたところです。
■KOCH SCHWANN:CD314060 (1990)
バスのためのコンサート・アリア集
(K.513、432、118、541、433、584、539、612、512、621a)
ヨゼフ・ロイブル(Bas)
ファビオ・ルイジ指揮
ミュンヘン室内管弦楽団あまり期待せずに買ったディスクが、思わぬ愛聴盤になりかわる……これもその例。私のような大学生の音楽鑑賞は、もっぱら真夜中。下宿生活ではソプラノの華麗なアリアより、バスで静かにお酒を飲むことのほうが多い。友人ジャカンのために作曲したK.513や、《ジュピター》の旋律が出てくる、ほのぼのとしたK.541、神品ともいえるK.621a、などロイブルが淡々とした口調で聴かせてくれる。まさに、一日で最高のひとときがここにある。…
『年刊モーツァルティアン1992』 (モーツァルティアン・フェライン編集部発行、1992.4)
p.171 「私の推薦盤」よりまわりが《フィガロ》やらピアノ協奏曲やらト短調シンフォニーを取り上げるなか、こんな盤を薦めているとは、我ながら渋い大学生だったのかと思いますが、これを推すに単にひねくれていたのかもしれません。
当時強かったマイナー志向の悪虫がうずいて、ここはみんなが紹介しない、ひと捻り加えたものを…との気負った思いがあったのでしょう。しかし、愛聴していたことは事実であって、実際毎晩のように聴いていた時期があったのです。本日久々に聴き直し、すでに15年以上隔つるも感動を新たにしました。今宵晩酌のお伴に決まり。
ロイブルは、歌曲などを得意とするバス・バリトン歌手で、現在はミュンヘン音楽大学教授。華やかなスター的活動をしているわけではないので、一般にはあまり知られていませんが、名教師として名高いようです。モーツァルトのリートも聴いたみたいと思いました。

ロイブルとルイジ(ジャケット裏表紙より)
指揮者ルイジの方は、先年来日して名演を披露しただけに、すっかり有名になりましたね。生まれはイタリアですが、指揮はグラーツで学び、1987年以降ベルリン、ウィーン、ミュンヘンの各歌劇場で指揮しています。以後、ウィーン・トーンキュンストラー管弦楽団首席指揮者(1995−2000)、スイス・ロマンド管弦楽団首席指揮者(1997−2002)、ライプツィヒ放送交響楽団首席指揮者(1999−2007)、ウィーン交響楽団首席指揮者(2005−)を歴任、昨年夏からは、ザクセン州立歌劇場(ゼンパー・オーパー)、およびシュターツカペレ・ドレスデン監督・指揮者に就任しています。
上掲録音は90年ですから、華々しい活躍をし始める直前、歌劇場での修業時代ということになります。さすがに過不足ないサポートでまったく見事。日頃オペラを指揮し慣れていないと、こういう伴奏はつけられないものです。
そうそう、ルイジのモーツァルトといえば、最近R.シュトラウス版《イドメネオ》の2006年ザルツブルク音楽祭ライヴ(会場はフェルゼンライトシューレ)が出ました。
■ORFEO:ORFEOR701072 (2006年8月25日、ライヴ)
歌劇《イドメネオ》〈R.シュトラウス編曲版〉
ファビオ・ルイジ指揮
シュターツカペレ・ドレスデン
ドレスデン国立歌劇場合唱団シュトラウス改作(歌唱はドイツ語)の是非はともかくも、演奏はよいですね。他のモーツァルト・オペラにも期待がかかります。
ところで、オーストリアのKOCHレーベルは消滅したようです。膨大かつ良質なカタログは切り売りされたのでしょうが、紹介盤は現在入手不可のよう。すみやかな復活を望みたいものです。
さて、手を休めての更新はここらで引き上げ、再び“紙の山”に突入いたします…
テーマ:クラシック - ジャンル:音楽
- 2008/07/21(月) 13:36:38|
- 声楽曲
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